クリスマスケーキに、ロウソクを立てて、火をつける。部屋の電気を消す。
真っ暗な部屋で、ロウソクの灯りがゆらゆらして、ケーキを照らす。
綺麗だなぁ、と思って眺めてから気づいた。
「あれ？クリスマスって、ロウソク消す前に歌う歌とかあったっけ？」
「なくない？てか、クリスマスケーキってロウソク立てるっけ？」
「立てないっけ？」佑月くんを見る。
「まあいっか。」佑月くんが私を見て笑う。
2人で、ふーってしてロウソクの火を消した。
美味しいね〜って２人でケーキを食べていると、佑月くんのスマホが鳴った。眞鍋からの着信だった。
「はい〜。」佑月くんが電話に出る。「あぁそう、わかった。5分後ね、はい。」
こんな時間から仕事？時計を見ると23:30だった。
電話を切って、佑月くんが「ごめんね。行かなきゃいけなくなっちゃった。」って立ち上がる。
「ううん」
「今からお仕事？」
「……そ、なんか亮が出るはずだったラジオ番組、亮が出れなくなっちゃったみたいで、その代打。」佑月くんが壁にかけてたジャケットを羽織る。
「そっか、がんばってね。」
ん。って佑月くんが部屋を出る前、私のおでこにちゅ、ってする。
