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佑月くんがいる日々は、すごく幸せで、あっという間にすぎていった。
窓の外の景色が、静かに移ろっていく。秋には家の前の公園のイチョウ並木が鮮やかな黄に染まり、やがてすべての葉を落とした。
季節は巡り、冬。街はクリスマスの灯りに包まれ、華やかな空気で満ちていた。
「クリスマスは一緒にいれなくてごめんね。」
「ううん。」
私たちは、1週間早いクリスマス。
クリスマスにはやっぱりチキン。今日仕事終わりに買ってきた。温めて机の上に出す。
それから、 “Merry Christmas”の文字のカチューシャを佑月くんの頭につける。
「わっ、かわいい!絶対に似合うと思ったんだ!あーやっぱり買ってよかった。」
「凛は?凛のはなんかないの?」
ないこともない。けど、やっぱり流石に浮かれすぎたと思って買った物は押入れの奥に隠した。
「これとか。」
佑月くんがにやり、と笑うその手には、隠したはずの、サンタのコスプレが……。
「な、なんで……。」
「そりゃ〜押入れに見慣れない紙袋があったら気になるわな。いや、勝手に中を見たことは謝る。」佑月くんが失敬、と頭を下げる。
「でも着てくんない?」
「やだ!」
「なんで、お願い」
「やだ〜〜!!」
佑月くんが床に正座して、紙袋を掲げる。「お願いします……。」



