推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


一棟貸しのヴィラ。


東京から車で3時間。湖のほとりにある、1日1組限定の特別なヴィラ。


「ここからここまでぜーんぶ、今日はふたり占め!」
テンション上がった佑月くんが、大きく手を広げる。


「お風呂もキッチンもベットもサウナもあって最高だ〜!」
いろんな扉を開けたり閉めたりしながら、ヴィラの中を走り回っている。


「こんな大きい机で、美味しい料理食べるなんて贅沢だね」

佑月くんに言うと、「うん!」って目を輝かせる。
「なんてったって姫のお誕生日ですから。」

布団に寝そべってみる。

布団の前はガラス張りで、景色が見えるようになっている。
夜になったら、星が見れるのかな。
さぞかし綺麗な星空なんだろうな。