推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



仕事終わりの居酒屋。会社の同期と飲みにきた。
会話は専ら、恋バナ。

結美の彼氏についてである。

「なんだとぉ〜!?」
莉沙が机に乗り出す。
「彼氏が、仕事が忙しいって会ってくれない〜!?」

「声でかいよ。」と、結美。

「もーう、そいつを今すぐここに呼んでこい!莉沙が金玉握りつぶしてやる!右と左どっちがいい!?」

結美が吹き出す。

莉沙は生粋のギャル。歳は私結美より3個も下なのに、なんだか人生経験は一番豊富。

「結美ちゃん、」
莉沙が結美の肩に手を乗せる。
「そいつはもう他に女がいるね。仕事が忙しいってことを理由に会わない男は、他に女がいる。
これは莉沙の勘じゃない。
人類の長ぁ〜い歴史上、そう。」
莉沙が、長ーいって両手で空間を引き延ばす仕草をする。

それを聞いて肩を落とす、結美。

それを見た莉沙が、んもーう!って結美の肩をパシパシ叩く。

「結美ちゃんも、他に男作っちゃえばいいんよ♪」って小声で言う。

「え〜でも……。」
「大丈夫バレないバレない!バレたら、アッレ〜?ごめーん間違えちゃった〜って謝ればいいんよ♪」
ギャル恐るべし。