トボトボ、家の前に帰ってきた。
そんなことは、わかって………。
家のドアの前に、佑月くんがいた。
「よぉ。」
壁に寄りかかってしゃがんだ佑月くんが、笑う。
「佑月くん……?」
足の力が抜ける。
「なんで……こんなところに……。」
「なんでって……。」佑月くんが立ち上がって、お尻のあたりについた埃を叩いて払う。「凛ちゃんが、ここにいるから。」
佑月くんが私の前に来て、頭にぽん、と手を乗せる。
「大丈夫?」
いつもみたいに。私が、ピンチの時に駆けつけてくれるときの、あの、優しい顔で。
首を振る。「……大丈夫じゃない。」
佑月くんが優しい眼差しで私を見る。
「俺も。」
「佑月くんが最後、キスなんかするから。」
「ごめん。」ヘラって笑う佑月くん。
私が、どれだけ泣いたと思って……。
チュ、って佑月くんがほっぺにキス。
佑月くんが、ふふ、って笑う。



