「こんなの、嘘だ。」


あの日、自分が部屋を間違えてしまって私を怖がらせてしまったのを気にして、わざわざ佑月くんがこんな手紙を書いたってこと?


てか、覚えてたの?いちいち、オタクが身に付けてたアクセサリーを?

“昨日”ってことは、次の日にこれをいれたってこと?

2週間。いや、正確には13日だけど。
あの出来事から、もう13日が経つ。

私は、あの日のことを毎日思い出している。


なんでもっと早く気づかなかったんだろう。


スマホが鳴る。
開くと、奈緒ちゃんからの電話だった。


「何?」

『ねぇ、あの話、本当だったの?』

「え?」

『佑月くんの話!』

「佑月くん?」

ドキリとする。

手に持った手紙の”佑月”の文字に目を落とす。

『ネットニュース見てないの?ドラマ発表されて、トレンド入ってる!』