年上彼女と年下俺様

あたし…。



どうしたらイイの…。



「安田さん、あたし響のとこに帰りたいよ…。」

「帰ってどうなんだよ。里佳が辛い時にそばにいれねぇような奴んとこいて幸せになれんのかよ。」

「仕事だから仕方ないの!!響だってあたしの辛さくらいわかってくれてるよ!!」

「だったら何で辛そうな顔して働いてんだよ。」



そんな顔してないもん…。



してないよ。



「疲れてるだけ。」

「あっそ。取り合えず今日は帰すつもりはねぇから。」



こんな必死な安田さんを初めて見た…。



その時鳴った携帯…。



『響』



出なきゃいけないんだけど今の状況では出れない…。



どうしよう…。



「貸せ。」

「辞めて!!」



安田さんが携帯を奪い取った。



お願いだから出ないで…。



「よぉ。お前の大事なもん拉致ってやったよ。返して欲しいなら探してみろ。」



それだけ言った安田さんは携帯を後部座席に放り投げた。