枕に顔をうずめて、ギュッと手を握りしめる。
嫌な思いをしているわけじゃないのに、涙が滲む。
チュ、と最後首元にキスを落とすと「可愛すぎ。」と、くしゃくしゃ頭を撫でられた。
完全に体の力が抜けてしまった私は、しばらくベッドの上から動けなかった。
「申し訳ございません。
やりすぎてしまいました....」
と、申し訳なさそうに眉を下げている。
「本当ですよ.....」
動けない私のために、うえからタオルケットを掛けてくれて、再びおしりの上には氷嚢が乗せられた。
「お嬢様が可愛すぎるのがいけないんです。」
「私のせいですか....?」
「はい。」
そ、即答.....
「いや、でしたか....?」
そんな、切なそうな顔されたら。
子犬みたいな、ウルウルな瞳を向けられたら。
「い、いえ.....大丈夫です。」
もし、本当に嫌だったとしても。
嫌でした、なんて言えないよ。
実際のところ、嫌ではなかったから....
嘘は言ってないけど。
でも、なんでかな。
佐伯さんに触れられるのも、ああやってキスされたのも。
嫌だ、と思わないのは。
その理由は、私でも分からない。
「それなら、安心です。」
そう、本当に嬉しそうに微笑むから。
もう何も言えなかった。

