執事に溺愛されまして



振り返って佐伯さんを見れば、瞳がギラリと獲物を捉えた狼のように鋭く光っていて。


危険だ、と反射的に思った。



「.......なんだか、少し妬けます....」


ボソッと。
恥ずかしげに、吐き捨てるように。


斜め下を見つめながら、佐伯さんは言った。


「や、焼ける!?」



え、熱い....!?


火事!?



「お嬢様、たぶん、漢字が違います。」


大事(おおごと)だ!と焦る私に、ピシャリと言われ戸惑う。



「ヤキモチをやく、ということです。」


「ヤキモチ?」


誰が....?佐伯さんが?


誰に....?私に?



「メイクをされ、髪型もいつもと違う。
それに、こんな綺麗なドレスを着て。
こんなに可愛いお嬢様を私以外の男に見せないで欲しい、と思ってしまいます。」


な、何を言ってる....?



「不謹慎なこととは重々承知ですが、お嬢様があれ以上あのパーティ会場にいなくてよかった、と、心から思っております。」


「ちょ、ちょっと....!!」



ジイイ....と音を立て、ゆっくりと背中のファスナーを下に降ろされていく。



驚いて体を動かしたせいで、おしりに乗っていた氷嚢は落ちてしまった。



これ以上、ファスナーをおろされないように体を起こしたいけど、上に佐伯さんがいるせいでできない。