「普段のお嬢様もとてもお綺麗ですが、ドレスを着ているお嬢様は特別綺麗です。」
「そ、そんな褒めても、何も出ませんよ...っ!」
急に褒めちぎられても、反応に困る。
似合ってるって思われてるなら、嫌な気持ちにはならないけど。
「いえ。
私は、本当の気持ちをお話しているだけなので。」
「そ、そうですか...」
なんだろう。
普段と変わらない会話。
普段と変わらない空間。
なのに、妙に佐伯さんの声が耳の中で響く。
そのせいで、変にドキドキしてきて。
ほんの少しの沈黙も、なんかむず痒い。
「見慣れない姿で、普段以上にお綺麗で....
なんだか、ドキドキします。」
「....え?」
佐伯さんが、ドキドキすることなんてあるんだ....
いつも、私がドキドキするようなことをしている時も、佐伯さんは普段通り。
悔しいくらいに、余裕たっぷりなのに。
「背中にあるんですね。
......ファスナー。」
な、何言って...
危険を察知し、体を起こそうとしたが少し遅かったようで。
気づけば佐伯さんはベッドの上にいて。
私の足の上に乗っているようだった。
「ダメですよ、大人しくしてないと。
氷嚢が落ちてしまいます。」
なんて言われるけど。
それは、佐伯さんが変なこというから!!

