執事に溺愛されまして




一瞬、ニヤリと笑ったのを、私は見逃さなかった。


これは、執事じゃなくなる時の表情(かお)だ。



「いや、本当に大丈夫ですっ!なんともないです!」


「ダメですよ。
暴れてしまうと痛めた体に悪いですし。
ほら、うつ伏せになってください。」



こんなところで、おしり丸出しになんてできるわけないでしょー!!


佐伯さんは執事かもしれないけど、列記とした男の人。



無理無理!ぜーったいに無理!



「大したことないですから!
ね、落ち着いてください....!」


佐伯さんの人が変わってしまわないように、何とか落ち着かせようと声をかける。



「しかし、何かあってからでは遅いですから。」



「セ、セクハラで訴えますよ!」



「酷い....っ!私はただ、お嬢様が大怪我をしていないか心配なだけなのに。」



そ、そんな悲しそうな声出してもダメなものはダメッ!


当たり前でしょ!



「心配してくれるのはありがたいですけど、本当に平気なので....」



「なりません。
このままではお嬢様のことが心配で、どうにかなってしまいます。」


お、大袈裟....っ!!



私の気持ちを無視するように、佐伯さんは私をベッドの上でうつ伏せに寝かせた。