執事に溺愛されまして



それなら、もう今すぐにでも離してくれたらいいのに...!


ドキドキしすぎて、脳に酸素がいかない。



「分かるよ。お嬢様がドキドキしてるの。
俺にまで伝わってくる....」



そ、その声のトーンはダメなんだ.....



普段の佐伯さんより、ワントーン低い声。


いつも敬語なのに、それが外れた途端、別人のように感じる。




「可愛いね.....
食べちゃいたいくらい。」



「お、美味しくないです....っ!」


だって、人間だもん!


私なんかより、目の前のお昼ご飯の方がよっぽど美味しいです!!




「んーー、でもそれは、食べてみなきゃ分からない。」



「わ、わかりますよ....っ!」



「そうなの?
どういう意味か、分って言ってる?それ。」



「.....と、共食い...」



必死に言葉を紡ぐ私に、余裕たっぷりの表情な佐伯さん。



なんか....私だけこんなドキドキしてるのかな?
そう思ったらちょっと悔しくなってきた。



「ククッ.....可愛いね。」



そう、囁いたかと思えば。


「なっ!?」



チュ、っと可愛い音を立て佐伯さんの熱が離れていった。



私はおでこを両手で抑える。


い、今.....!
おでこにチューされた....っ!