執事に溺愛されまして



「ご、ゴメンなさ....」


───グイッ



慌てて佐伯さんから離れようと、体に力を入れたけれど、佐伯さんによってそれを阻止されてしまう。



相変わらず、至近距離にある佐伯さんの整った顔。

ゴクッと唾を飲み込む。



「もしかして、お嬢様.....
照れてらっしゃいますか?」



「え、っと、それは....その....」


顔が燃えるように熱くて。


絶対に顔が真っ赤だと、自分でもわかる。



お願いです.....
その目で見つめないでください。



逸らしたくても、逸らせない。
『捕まえた』って、瞳が言ってる。



「顔.....真っ赤ですね。」


「っ.....」



私の顎を親指と人差し指でクッと上に持ち上げる。


これが俗に言う顎クイか...
なんて、悠長なこと考えてる余裕なんて、今の私にはなくて。



もう、少しでも動いてしまえば、お互いの鼻がぶつかってしまうくらいの距離。



「....っ、そんな顔で見つめられると、我慢できなくなるんだけど......」



「さ、佐伯さん....っ」



「煽ってる?わざと?」



いやいやいやいや!!


こんな状態にしたの、佐伯さんですよね!?
私のせいじゃないですよ!