執事に溺愛されまして





「はぁ....」


今までとは全く別の緊張で、体の全部の力が抜けてしまった。



せっかく、リラックスできてきたと思ったのに....



「申し訳ございません。少し、イジワルをしてしまいました。」



少しどころじゃないですよ!




なんて言葉は、体の力が抜けてしまった私に発することはできなかった。





「でも、私なんかのことを思い、謝ってくれるお嬢様は本当に優しいのですね。」




今更褒められても、もう、何も考えられないよぉ.....




「私は少し、雑務がございますので、この辺で失礼いたします。
また、ご夕食の時間になりましたら、お迎えに上がりますので。」




と、一礼をして部屋から出て言った。




私はしばらく、ソファの上から動けなかった。




頭の中に思い浮かぶ、さっきの光景。




鼻を掠めた心地よい香り。



遠目で見てもかなり整った顔立ちをしていたのに、あんな至近距離で見つめられたら、いやでもドキドキしてしまう.....




現に今でも、心臓はうるさく動いている。