ぜんぶ、ちょうだい。


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今日から、先輩がいない。

言われた通り、登校してきたころにはもう2年生の姿はなかった。
昇降口も、廊下も、いつもより静かで。

机に突っ伏して、窓の外をぼんやり眺める。

……なんか、ぽっかり穴が空いたみたい。

前の席の清水が、くるっと振り返る。



「清水……泉先輩、行っちゃった……」



声が、勝手に漏れた。



「……あー、修学旅行?」



え? なんでそんなに嬉しそうなのっ?



「清水、私がメンタルやられてるとき、 いつも嬉しそうだよね? この前の“好き”は嘘だったの?」

「はあ!? お前、こんなとこでそんなこと言うなよっ!」



……あー。
なんか昨日の泉先輩みたいなこと言ってるな~。