ぜんぶ、ちょうだい。




「気になる???」

「そりゃ、気になりまくりですよっ! 水元先輩、実物の方がかわいいしっ…」



言った瞬間、自分で撃沈。
勝てるわけないなぁって、勝手に思って、勝手に落ち込んで。

水元先輩の綺麗な瞳。
私とは、まるで違う。顔も、スタイルも、雰囲気も、全部。



「私が、まだかおのこと好きだったらどうする?」

「えっ…そ、れは…」



それは――嫌ですけど。

でも、そんなこと言えるわけない。

だって、私なんかが“嫌です”なんて言ったら、すごくちっぽけに思えてしまうから。

でも、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。


言い淀んでいると、水元先輩は、 短い溜息をついた。



「いいライバルになるかなと思ったのに。拍子抜け」

「うっ…」



そもそも…そもそもだよ?

スタート地点が違うというか? 目指す先が違うというか?

水元先輩は、泉先輩の“隣にいた人”。
私は、泉先輩の“視界に入るかどうかの人”。



「私、泉先輩に振られたいんです。 付き合えないのは百も承知なので! 振られることに納得できるくらい、 私のことを知ってもらいたいだけで…」



……初対面の先輩に何言ってるんだろう、私。