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ある日の朝。
ひまちゃんから告げられた衝撃の事実に、 私は頭を殴られた気分になった。
「ひ、ひまちゃん…もう一回言ってくれる?」
「ん?だからね、泉先輩の元カノが~」
「えぇっ…元カノ!?」
泉先輩に…元カノ?
「こまちゃん…。“あの”泉先輩だよ? いないわけないじゃん?」
「うぐっ…」
ぜんっぜん考えたことなかった。
先輩に彼女がいたことがあったなんて。先輩に好きな人がいた時期があったなんて…。
「信じられない…」
「私は、こまちゃんにびっくりしてるよ」
泉先輩はモテる。それはもう、ものすごく。
でも、いつも振ってるイメージがあった。
誰にも心を許してないような、ちょっと冷たいような、そんな印象。
「いいな…」
先輩の元カノ。
どれくらい付き合ってたのか知らないけど、少しでも先輩がその人に“好き”な気持ちがあった時があるってことが、なんだかすごく羨ましい。
先輩の“好き”を、受け取ったことがある人。
先輩の“優しさ”を、独り占めしたことがある人。
私がまだ知らない先輩を、その人は知ってるんだ。


