ぜんぶ、ちょうだい。




「ね、泉先輩こっち見てない!?」

「嘘!?」



クラス中の女子がざわざわ。
でも、私の心はもっとざわざわ。


私じゃない? 私に向けたものじゃない?


でも、でも―― 先輩は誰にでもそんなことする人じゃないですよね?



「…っ」



自惚れてもいいかな? 自惚れたい…!
私に手を振ってくれたって、信じたい…!



「勘違いすんなよ」



隣から、冷たい清水の声。



「…今日の清水、イ!ヤ!」



いいじゃん。勘違いしたって。
好きなんだもん、しょうがないでしょ?

清水は、そんな私に呆れたのか、グラウンドを見るのをやめて、座った。


清水のバカ。

なんで応援してくれないの?