ぜんぶ、ちょうだい。




寝不足だし、食欲もない。
2週間も会えてなかったのに。

それなのに――



「なんで、気付くんですか……」



先輩。 私、先輩に会わす顔がなくて。ずっと避けてたんですよ。



「最近、来ないのなんで?」


「あっ……えー……それは……」



言い訳を探して、視線を逸らす。


逃げようとした瞬間、先輩の手に力がこもった。

掴まれた腕が、熱い。
心臓まで、その熱が伝わってくる。


会えて嬉しいはずなのに。ずっと待ってたはずなのに。


――こんな私を、見てほしくない。


清水のことを思い出すたびに、胸の奥がざわついて、先輩の目をまっすぐ見られなくなる。



「吉川」



名前を呼ばれるだけで、涙が出そうになる。