ぜんぶ、ちょうだい。




まって、まって……?え?なんでっ……!?



「吉川」


「はっ……はいっ……」



反射的に返事をしてしまう。
久しぶりに呼ばれた名前。

あぁ、好きだなあ……。

じわっと胸にこみあげてきて、泣きそうになる。

先輩は、私の顔をじっと見て、



「寝れてる?」


「……え?」


「いつもと違うじゃん」



なっ……なんで、ばれるかな。そんなの、隠してるつもりだったのに。

でも、そうか。毎朝、挨拶してきた“ストーカー”が、突然来なくなったら…… そりゃ、気づくよね。

清水との一件があってから、まともに寝れていない。
夜になると、あのときのことが頭をよぎって、目を閉じても、眠りに落ちることができない。