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あれから、先輩に会っていない。顔を合わせていない。
どうしても、罪悪感が出てきてしまう。
先輩はなにがあったのかも知らないし、なんなら、知ったとしても私のことなんてどうでもいいだろうけど。
気づいたら、先輩が修学旅行から帰ってきて2週間が経っていた。
確実に、先輩不足。声が聞きたい。目を合わせたい。ただ「おはよう」って言いたい。
でも、足がすくむ。
清水のことを思い出すたびに、“私なんかが先輩の隣に立っていいのかな”って、胸の奥が重くなる。
私、このまま先輩に会えずに終わっちゃうのかな……。
「こーまーちゃんっ。お弁当食べよー」
「ひまちゃん~。ちょっとお手洗い行ってくるねっ。先食べてていいよっ」
そう言って、私は席を立った。
前の席のあいつ――清水は、相変わらず普通に話しかけてくる。
どういう神経してるの?って思う。
絶交宣言したのに、まるで何もなかったみたいに。
私は、とことん無視をしている。
目も合わせないし、返事もしない。
それなのに、清水は変わらない。いつも通りで、腹が立つくらいに。
……でも。
心のどこかで、本気で清水のことを嫌いになれない自分がいる。


