ぜんぶ、ちょうだい。


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「それで~清水と絶交しちゃったんだ~?」



昼休み、食堂へ向かう途中。
ひまちゃんに、清水のことを洗いざらい話した。

もう、一人で抱え込めなかった。なんかもう、聞いてほしかったの。

どう思われてもいい。清水の気持ちに気づかなかったのは、ほんとに悪いことしたなって思ってるし。

でも―― でも、あのキスはやっぱり許せなかった。



「ひまちゃんは気付いてたんだよね? なんで私に教えてくれなかったの?」



声が少しだけ震えた。責めたいわけじゃない。でも、言わずにはいられなかった。




「こまちゃんさ、私が人の気持ちを勝手に言えるわけないでしょ?」

「そっ、そうだけどさ…」

「それに、清水はずっと頑張ってたよ。 健気にこまちゃんだけを見ててさー。 こまちゃん、全然気づかないんだもんっ」



…私が、泉先輩のことが好きだから。先輩しか見えてなくて。
他の誰かの気持ちなんて、見ようともしなかった。



「周り、見えてなかった…ね」



先週、ひまちゃんに言われたばかりだった。