ぜんぶ、ちょうだい。





「清水、ほんとに私のこと好きなの?」



清水は、少し黙ってから言った。



「……吉川さ、いつも俺にほんとに先輩のこと好きなのか聞かれてどう思ってた?」

「……い、イライラしてたっ! 全然信じてくれないから」



そう言った瞬間、清水の顔が変わった。


あ―― 待って。

今、私……。


同じこと、清水にしてる。



気づいた時には、もう遅くて。



「だよな?」



清水はそう言って、 私の後頭部に回した手をグイっと押した。



「ちょっ、しみっ……!」



避ける間もなく、唇が重なった。


あっさり奪われた、私のファーストキス。



その味は―― 酷く、苦い気がした。