ぜんぶ、ちょうだい。




「なに?急に寂しくなったの?」



私がそう言ったのは、ちょっとふざけたつもりだった。

でも、清水は真剣な顔をしていた。



「そうじゃなくて!好きなんだって!恋愛感情で!」



……え?

……ええ?



「恋愛感情!?」

「そーだよ!」

「えっ!?えぇ!?」



清水が? 私を? 恋愛感情で?

どうして? なんで? そんなの、聞いてない。



「えっ?嘘だよねっ?」



嘘に決まってる。
じゃないと、おかしいじゃん。



「本気だよ」



清水の目は、真っ直ぐだった。


……どうして? 私、泉先輩の話ばっかりしてたよね?

そんな私を、清水はずっと見てたの? それでも、好きって言ってくれるの?

違う。清水は、私のことを好きなんかじゃない。

だって、そうじゃないと――



「そうじゃないとさ……私、すごい酷い女じゃん……」



泉先輩に片思いして、清水の気持ちに気づかずに、無神経に話して、笑って、泣いて。


……あぁ、まずい。 どうしよう。


罪悪感が、胸をぎゅっと締めつける。
涙が、勝手にこぼれそうになる。