ぜんぶ、ちょうだい。




「てか、清水はなんで残ってんの?」



放課後の教室。
誰もいなくなった窓際で、清水がポツリと答える。



「……今日、元々吉川と帰るつもりだった」

「えぇっ、なんで?珍しいね?」



はっ……! さては、恋愛相談?

この前、あんなにしんどそうだった清水。机に突っ伏して、ため息ばっかりついてた。

だから、今日もその続きかと思ったのに――



「自分に自信のない吉川に、一つ、教えておいてやるよ」

「え?恋愛相談じゃないの?」



拍子抜け。てっきり、私に助けを求めてきたのかと思ったのに。

清水は、「吉川に相談することなんかねーよ」 だってさ。



「まぁ、今から言うこと聞いてよ」



清水が、いつもの軽い口調で言う。



「はいはいっ」



そう返した私に、清水が急に真剣な顔を向けてきた。