ぜんぶ、ちょうだい。



「やめてっ!取ったら、ポッキー全部食べてやるんだからっ」



私の耳を塞ぐ手を取ろうとする清水に、思わず声を張り上げた。



「それはいいけど……お前さ、なんでまだ帰ってねーの?」



清水が呆れたように言う。



「駅行こうか迷ってたら、この時間になったのっ」



だって、だって…… もしかしたら、先輩に会えるかもしれないでしょっ?


でも―― 結局、行けなかった。

昨日、ひまちゃんに見せてもらったSNSの写真。海辺で撮られた、6人組の集合写真。

その中にいた、泉先輩。

相変わらずの仏頂面だったけど…。


水元先輩とか、水元先輩とか、水元先輩とか―― あの水着姿を見てしまったら、もうダメだよね。

このちんちくりんを見たって、どうしようもないじゃない。
勝てる要素、一個もなし。

とことん、自分に自信がないんだなーって、 改めて思い知らされた。



「もっと、水元先輩みたいに綺麗でスタイルもよかったらなー」



そうしたら―― 泉先輩は、少しでも私の方を見てくれた?