ぜんぶ、ちょうだい。




「さっきからため息ばっかり、なんだよ」



清水がそう言いながら、食べていたポッキーを一本、私に差し出してくれた。



「これ食べて元気出せよ」



……ありがとう。さすが。

ポッキーの甘さが、ちょっとだけ胸の苦さを和らげてくれる。



「一週間も会えないなんて思ってなかったな~」



ぽつりとこぼした言葉に、清水は少しだけ笑って言った。



「吉川。もし泉先輩と付き合えたら、一週間ってもんじゃないぞ? あっち先に卒業するんだし」

「うぅ……清水までそんなこと言わないでよ」



分かってる。ちゃんと分かってる。

ひまちゃんにも、似たようなこと言われた。



「だからさ――」



清水が何か言いかけた瞬間、私は両耳を手で塞いだ。



「もー!うるさいっ。何も言わないでっ……!」



聞きたくなかった。今は、何も言われたくなかった。

清水のバカ。
私の気持ち、察してくれないのっ?


ちょっとくらい、気を遣ってくれてもいいじゃん!



「吉川、聞けって」



清水はそう言って、私の手をそっと剥がそうとする。