ぜんぶ、ちょうだい。


*

*

*



先輩が修学旅行に行って、三日目。

……日に日に老衰していってる気がするんだけど……?

鏡を見るたび、目の下のクマが濃くなってる気がするし、口角も下がってるし、なんか、顔色も悪い。



「こまちゃん、顔おばあちゃんみたいっ」



キャハッて笑うひまちゃん。

……失礼だなって思いつつ、たぶんほんとに、おばあちゃんみたいになってるんだろうなって思う。


今日を乗り越えれば、明日!
明日、もしかしたら―― 帰ってきた先輩と会えるかもしれないっ……!



「……あと1日。あと1日で帰ってくる……」



自分に言い聞かせるように呟いてみるけど、その“1日”が、やけに長く感じる。

……先輩。今どこにいますか?

お土産とか、買ってますか? 私のこと、ちょっとでも思い出してくれてますか?



「ね、明日先輩って何時に帰ってくるかなっ?」



すると、ひまちゃんはパンをかじりながら、あっさり。



「何言ってるの、こまちゃん。 明日は駅で解散って聞いたよ?」

「え?」



……えっ?


そうなんだっ!? 昇降口で「おかえりなさい」って言えると思ってたのに。

これは、まずい……。
このままだと、老衰が進んじゃうよう……。