ぜんぶ、ちょうだい。




「私、もっと感謝しないとだめだよね」



ぽつりと呟いたら、ひまちゃんはすぐに首を振った。



「そういうことじゃなくてさ。 焦りは禁物だってことっ! 付き合うことばっかり考えて、 周りが見えなくなったらだめだよ?」



その言葉に、胸がちくっと痛んだ。



「最近、私のことも二の次って感じだしさ~」

「えぇっ!? そんなことないようっ!」



慌てて否定すると、ひまちゃんは笑って、避けずにぎゅって抱きしめさせてくれた。

……かわいいっ! ひまちゃん、だいすきっ!



「……ひまちゃんて、清水の好きな人知ってる?」



そう聞いた瞬間、 ひまちゃんは呆れ顔。



「私はね、清水のことがもうずっとかわいそうで仕方ないよ」

「えっ、そんなに前から片思いしてるのっ?」



知らなかった。ほんとに、知らなかった。

清水、ごめんね。 気づかなくて。力になってあげられなくて。



「清水のこともさ、ちゃんと考えたほうがいいよう、こまちゃん」

「話聞くことはできるけど…… 私、恋愛経験ないからなぁ……」



それが、私の精一杯の答えだった。

でも、ひまちゃんは 私の顔をじっと見て、ぽつり。



「そうじゃなくてね? ……もう、いいや」



その言葉が、なんだか“何か”を諦めたみたいで。

……ひどい。