さくらびと。美桜 番外編(2)





「僕は…、精神科医を目指します。」








看護師長の倉橋さんは驚きの表情を見せたあと、すぐに納得したように頷いた。







「そうですか…。実は以前、美桜さんから少し伺っていました。」






「……え?」






「『きっと彼なら、誰よりも人の心に寄り添える素晴らしい医者になる』ってね」








思わず目頭が熱くなった。





美桜は全て予見していたのだ。






彼の才能も、彼の迷いも。








「これから、東京の大学院で勉強してきます」







「そうですか……美桜さんもきっと喜んでいるでしょうね。」





倉橋師長の言葉に背中を押されるように裕紀は玄関に向かった。





扉を開けると初夏の風が吹きつけた。





街路樹の若葉が眩しい。