ユウト、ミサキ、アカリの3人は、崩れかけた階段を駆け下り、霧峰学園の地下へと向かう。

ケンタの死の衝撃がまだ残る中、背後では影の生徒たちの囁きが追いかけてくる。

「還セ…オマエモ…」

低く、粘つく声が廊下に反響し、まるで壁そのものが呪いを吐き出しているようだった。

ミサキの腕の焼けただれた跡は疼き、彼女は歯を食いしばって走る。

「ユウト、私…何か感じる。地下、もっとヤバいよ…」

「今さら引き返せねえ!」

ユウトは叫び、懐中電灯を握りしめる。

彼の手は震え、ケンタの溶けた姿が脳裏に焼き付いていた。

アカリは無言で日記を胸に抱え、まるでそれが彼女の命綱であるかのように歩みを進める。

彼女の目は、どこか遠くを見ているようだった。