ユウトはケンタのカメラを拾い、映像を確認する。

そこには、ケンタが死ぬ直前に映したアカリの姿があった。

彼女の背後には、影の生徒が寄り添うように立っており、彼女が微笑む瞬間、影が彼女の耳元で囁いているように見えた。

「アカリ…お前、知ってたのか?」

ユウトが詰め寄るが、アカリは肩をすくめる。

「知らないよ。でも、儀式を終わらせないと、みんなこうなるだけでしょ?」

ミサキが立ち上がり、「もう嫌だ! 帰りたい!」と叫ぶが、部屋のドアが勝手に開き、黒い霧が再び這い寄る。

ユウトはミサキの手を引き、「地下だ! 日記の秘密は図書室にある!」と叫ぶ。

3人は理科準備室を飛び出し、影の追跡を振り切るため、崩れかけた階段を駆け下りる。

だが、アカリの目には、奇妙な光が宿っていた。

彼女は日記を握りしめ、背後で響く影の囁きに、かすかに頷いていた。