校舎の玄関は半壊し、ガラスの破片が月光にきらめく。
4人が一歩踏み込むと、床板がギシリと軋み、カビと埃の匂いが鼻をつく。
廊下の壁には、剥がれたポスターや落書きが残り、「助けて」「ここから出して」と書かれた文字が懐中電灯の光に浮かぶ。
アカリが興奮気味に言う。
「これ、20年前の生徒の痕跡じゃね? マジでヤバい雰囲気!」
ケンタのカメラが、薄暗い廊下をゆっくりと捉える。
画面には4人の影が映るが、ユウトの背後にほんの一瞬、5つ目の人影がチラつく。
「おい、今のなんだ?」
ケンタがカメラを止め、巻き戻して確認するが、映像には何も映っていない。
「…見間違いか?」
彼は笑って誤魔化すが、声には僅かな震えが混じる。
ミサキが立ち止まり、廊下の奥を指さす。
「あそこ…何か動いた」
彼女の声に、3人が一斉に振り返る。
懐中電灯の光が届かない闇の先で、確かに何かがカサリと音を立てた。
ユウトは強がって言う。
「ただのネズミだろ。行くぞ、教室13番は2階だ」
だが、彼の手が懐中電灯を握る力は、わずかに強まっていた。
4人が一歩踏み込むと、床板がギシリと軋み、カビと埃の匂いが鼻をつく。
廊下の壁には、剥がれたポスターや落書きが残り、「助けて」「ここから出して」と書かれた文字が懐中電灯の光に浮かぶ。
アカリが興奮気味に言う。
「これ、20年前の生徒の痕跡じゃね? マジでヤバい雰囲気!」
ケンタのカメラが、薄暗い廊下をゆっくりと捉える。
画面には4人の影が映るが、ユウトの背後にほんの一瞬、5つ目の人影がチラつく。
「おい、今のなんだ?」
ケンタがカメラを止め、巻き戻して確認するが、映像には何も映っていない。
「…見間違いか?」
彼は笑って誤魔化すが、声には僅かな震えが混じる。
ミサキが立ち止まり、廊下の奥を指さす。
「あそこ…何か動いた」
彼女の声に、3人が一斉に振り返る。
懐中電灯の光が届かない闇の先で、確かに何かがカサリと音を立てた。
ユウトは強がって言う。
「ただのネズミだろ。行くぞ、教室13番は2階だ」
だが、彼の手が懐中電灯を握る力は、わずかに強まっていた。

