数日後、ミサキは病院のベッドで目を覚ました。

アカリは意識不明のまま入院し、ユウトとケンタは帰らなかった。

警察は霧峰学園の崩壊を「老朽化による事故」と処理したが、ミサキは真相を知っている。

彼女の手のひらの傷は癒えつつあるが、時折、頭に囁きが響く。

「アリガトウ…マダ…」

自宅に戻ったミサキは、ケンタのカメラを手に震える。

映像を再生すると、最後のシーンが繰り返される。

彼女の背後に映る影は、はっきりと人の形をしている。

目がない顔が、ゆっくりと彼女に近づく。

ミサキが振り返る瞬間、画面は暗転した。