校舎が大きく揺れ、壁に亀裂が走る。

ミサキはユウトを支え、教室を飛び出す。

怨霊の声はもう聞こえないが、校舎は崩壊の危機に瀕していた。

2人は互いに支え合い、なんとか1階の玄関へたどり着く。

背後で、教室13番が爆発するような音を立てて崩れ落ちる。

外に出ると、霧が晴れ、月明かりが校庭を照らす。

ミサキはユウトを地面に寝かせ、彼の傷を押さえる。

「ユウト、頑張って! 救急車呼ぶから!」

だが、ユウトは弱々しく笑った。

「バカ…俺、かっこよかっただろ…?」

彼の目はゆっくりと閉じ、息が止まる。

ミサキは泣き叫びながら、ケンタのカメラを拾い上げる。

そこには、最後の映像が残っていた。

教室13番のシンボルが光り、怨霊たちが消える瞬間。

そして、ミサキの背後に、かすかに映る一つの影。

彼女がそれに気づく前に、映像は途切れる。