ミサキは必死に階段を駆け上がり、2階の教室13番へと戻る。

後ろを振り返ると、アカリが血まみれのナイフを手に追いかけてくる。

彼女の目は完全に黒く染まり、口元には不気味な笑みが浮かぶ。

「ミサキ! あんたの魂で終わるんだ! 怨霊がそう言ってる!」

その声は、もはや人間のものではなく、複数の怨霊の囁きが重なったような不協和音だった。

教室13番の扉は開け放たれ、床のシンボルは血で真っ赤に染まっている。

ミサキは部屋に飛び込み、扉を閉めようとするが、アカリが体当たりで押し入る。

「逃がさないよ! 儀式は私が完成させる!」

アカリのナイフがミサキの肩をかすめ、血がシンボルに滴る。

すると、部屋全体が激しく揺れ、天井から埃と破片が降り注ぐ。

ミサキは床に倒れ、シンボルの中心に座り込む。

彼女の頭に、怨霊たちの記憶が流れ込む。

20年前、教師たちに選ばれた13人の生徒たちは、恐怖と絶望の中で儀式に捧げられた。

彼らの魂は封印に縛られ、永遠の苦痛に閉じ込められたのだ。

「私…あなたたちを自由にする…」

ミサキは震える手でシンボルに触れ、青白い光を放つ。