数日後・休日の朝

「準備できたか?」

蓮の声がバイク越しに届く。

ヘルメットを被ったことはが頷いて、蓮の背中にそっと手を添える。

「うん、大丈夫」

「じゃあ、行くぞ。ちゃんと掴まってろよ」

「……もちろん」

エンジンの音が響き、二人を乗せたバイクが走り出す。

風を切るスピードに最初は少し怖さもあったけど、ことはは蓮の背中に体を預けるうちに、次第にその音や振動すらも安心に変わっていった。