「ねぇ、蓮くん」
「ん?」
「いつかさ……蓮くんのバイクで、海に連れてってくれない?」
蓮は驚いたように一瞬ことはを見たが、すぐにふっと口角を上げる。
「……俺の後ろ、怖くないのか?」
「ちょっとだけ。でも……蓮くんの背中なら、平気だと思う」
ことはが少し照れながら言うと、蓮は真面目な顔でうなずいた。
「じゃあ、今度連れてってやる。俺のバイクで、俺が選んだ場所に」
「楽しみにしてる」
「でもその代わり、後ろからちゃんと掴まってろよ。途中で離したら、絶対許さねぇからな」
「……わかってるよ、ばか」
ことはの頬が赤くなって、でもどこか嬉しそうに笑った。


