改札を抜けた瞬間、すぐに蓮の姿が見えた。

黒のパーカーにデニム。どこかラフなのに、周りより目立っていて、やっぱりかっこいいと思った。

「……ことは」

蓮が近づいてきて、ことはの全身を見たあと、目をそらすようにして言った。

「その服、可愛い」

「え……ほんと?」

「俺が嘘つくわけねーだろ」

不器用なくせに、さらっとこういうことを言う蓮に、ことはの心臓はバクバクだった。

「行くぞ。今日は俺がエスコートしてやる」

「う、うん……」