クールな総長は私だけにとびきり甘い

ことはは、教室で同じクラスの男子と話していた。

ノートを借りたとか、ちょっとした会話。それだけのはずだった。

でも、廊下からその様子を見ていた蓮は、眉間にシワを寄せた。

──なんで、笑ってんだよ。

教室に入ると、迷いなくことはの手を取り、そのまま連れ出す。

「ちょ、蓮くん!? どこ行くの!?」

誰もいない裏庭まで来ると、蓮は振り返り、静かに言った。