地球温暖化とかなんとかが騒がれる昨今
12月に雪なんてもはや異常だ
重い足取りで歩き出す。
履き古したスニーカーが、降り始めたばかりの薄い雪を踏みしめる音が静かに響いた。
この街の冬は、いつだって冷酷だ。
表面上はどれだけ綺麗に取り繕われていても、一歩裏路地へ足を踏み入れば、ドス黒い欲望と血の匂いが渦巻いている。
「……ハッ、くだらねぇ」
吐き捨てた言葉すら、寒空に白く消えていく。
アタシには、関わりのない話だ。
誰がこの街を仕切ろうが、誰が死のうがどうでもいい。
荒れ果てたこの不良校のゴミ溜めで、アタシはただ己の拳一つで生き延びるだけ。
そう、思っていた。
あのアホな物理教師に、呼び出されるまでは。
