月明かりに照らされたその表情は、やはり完璧に整った、温度のない笑顔。
「隠す? 僕が? ただ、君の手を汚すまでもない雑魚を、片付けてただけですよ。」
「……っ」
「さあ、行きましょう。君の暴れっぷり、特等席で見せてもらいますね」
ヒイラギは優雅に手を差し伸べる真似をして、廃ビルの中へと足を踏み入ればかりの暗闇へ消えていく。
彼が何を考えているのか、本当はどれほどエグい奴なのか、アタシには何一つ分からない。
ただ一つ理解できたのは――この男、学校では優等生ぶっているくせに、想像以上に『狂っている』ということだけだった。
