クラスに馴染もうとする紗月は、蓮司から距離を置こうと決意する。けれど小さなトラブルで孤立しかけたとき、蓮司が強引なやり方で助けに入り、余計に周囲から浮いてしまう。素直に感謝できないまま、二人の心はすれ違っていく。

そんなある雨の日、蓮司は無言で傘を差し出す。相合傘で歩く帰り道、蓮司は父親との不和を吐露し、家に居場所がない孤独を見せる。紗月もまた「自分も子供のころから家で一人が多かった」と過去を打ち明け、二人は初めて心の奥で重なり合う。

だがその後、紗月がクラスメイトと楽しく過ごす姿を見て、蓮司は露骨に不機嫌に。紗月は「友達も大切にしたい」と反発し、二人は衝突。紗月は自分の幼少期の孤独な記憶を思い返し、「どうして私は放っておけないんだろう」と胸を締めつけられる。

やがて紗月は、蓮司と父親が激しく言い争う場面を目撃する。「お前は何をやっても駄目だ」と罵られ、悔しさに震える蓮司。思わず紗月は声をかけ、「そんなことない」と告げる。涙を見せた蓮司の手を強く握り、紗月は自分の過去を重ねながら「あなたは駄目なんかじゃない」と言い切る。その言葉に蓮司は「……離れるなよ」と弱く縋る。

そしてついに、紗月を狙った他校の不良が動き出す。窮地に陥った紗月を、蓮司は命がけで守る。傷だらけになりながら「俺は壊れてもいい。でもお前だけはそばにいてくれ」と叫ぶ蓮司。涙ながらに紗月も「私も……一人はもう嫌だから」と応え、二人は危うくも強い絆で結ばれる。