双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜

「ふふっ、難しい? こちらはカリンを渡すのですよ。あの子は世界を動かす程の力を持っています。彼女を、このままカルパシーノに置いても良いのですよ。きっと、初代リカルド皇帝と聖女マリアンヌが愛し合い築いた帝国のような発展をカルパシーノ王国は遂げるでしょうね」

「アリアドネ⋯⋯君の要求を全てのむよ」
 ルイス皇子は心からカリンを愛しているようだ。
私はかなり無理な要求をしているのに、カリン欲しさが勝って要求を飲み込んでいる。

「では、盟約の誓いをしてください。殿下が立太子した段階で誓いが施行せれることを約束してください」

 私は決して破られることのない誓いを魔術を使って彼にさせる事にした。
 彼が皇帝ではなく皇太子になった段階としたのは、カリンがベリオット皇帝を全快させてベリオット皇帝の治世が長引く可能性があったからだ。

「殿下に向かって無礼な!」
 レイリン嬢が口を出してきた。
本当に蠅のように鬱陶しい女だ。

「お黙りなさい! 今、私はシャリレーン王国の次期女王として、パレーシア帝国と国家間の交渉をしているのだ! 一介の貴族令嬢如きが口を出してい気ない場とも分からぬとは、お前のせいで帝国の程度が知れるわ」

 レイリン嬢は俯き押し黙った。