双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜

「エウレパ国王陛下、お待ちしておりましたわ」
「声もすごく良いな。早速、今晩から可愛がってやろう」

 エウレパ国王は私の父よりずっと年上だ。

 それに、男が苦手な私でなくても、ほとんどの女が吐き気がしそうな汚い顔をしていた。
 彼の生き方がまるで表に出ているように醜い。
 そして、彼の人をモノのように見る目はルドナ国王に似ていて私は身震いした。

 閉鎖された国家エウレパに入った途端、私は想像以上に発展していて驚いてしまった。
(学べることが沢山ありそうね⋯⋯)
 
 私は16歳になった。
 隣国のカルパシーノ王国に妹がいると思うだけで、強くなれる気がした。

 城内に入るなり、エウレパ国王に腰に手を回され今にも吐いてしまいそうになった。
(この男に口づけでもされたら、即死してしまうかも⋯⋯) 

「国王陛下⋯⋯実は、バルトネ王国で怖いことがあったのです。クレアラ王妃に嫉妬され毒を盛られました。私は、陛下のお気持ちさえあれば十分ですわ。陛下は王妃殿下を大切にしてくださいませ」

「心配するな。カタリーナは若い男が好きでな、カルパシーノから拾ってきた奴隷で毎晩のように遊んでる。カタリーナも余に興味などないから、アリアドネはただ余に愛されていれば良い」
 
 エウレパ国王の手が腰から下の方におりてくる。
「カタリーナ王妃殿下にご挨拶させてください。この国で1番尊重されるべき女性です。まずは、ご挨拶に伺うのが礼儀かと」
 
 エウレパ国王に案内された部屋は王妃の寝室だった。
 ノックをして開けたら、そこには信じられない光景が広がっていた。
 
 カタリーナ王妃は想像と違って、妖艶な毒婦のような方だった。
 はだけたドレスで、ほとんど服を着ていないような少年たちと戯れていた。
(若いって、まだ子供じゃない)

 私は女にも性欲があることだけでも驚いたのに、これ程に偏った欲望を持ちそれを隠しもしない女が存在することに言葉を失った。

「カタリーナ・エウレパ王妃殿下に、アリアドネ・シャリレーンがお目にかかります」
「あら、本当に綺麗な子ね。陛下があなたの事を楽しみにしていたのも分かるわ」
 舐め回すように私を見つめている彼女の目がいやらしい。

「カタリーナ様、お水をください⋯⋯」
 少年の1人がいうと、カタリーナ王妃は口移しでお水を飲ませた。

 少年は本当に水もろくに与えられてないのか、必死に彼女の口から水を飲んでいた。
 しかし、その表情は苦痛で歪んでいた。
(気持ち悪くて見てられないわ⋯⋯こんなこと幼い時にされたら女性恐怖症になるのではないかしら⋯⋯)