「何? 旦那の首なんか持ち込んで4人で楽しもうって訳?」
姉は私の前で上品で優しいフリをしていたのだろう。
しかし、今はセルシオの首を見下しクスクス笑っていて冷たさを隠していない。
「アリアお姉様、なぜ私をカルパシーノ王国に嫁がせたのですか? 一緒になりたい護衛騎士がいた話は嘘ですよね」
「ふふっ、なんで王女の私が護衛騎士なんかと一緒になるのよ。元奴隷のセルシオ・カルパシーノの妻なんて嫌に決まってるでしょ。だから、あんたに押し付けたのよ」
姉は妖艶に笑いながら寝台に近づき、天蓋についた薄い布をめくった。
姉の3度の結婚の扱いは酷いものだった。
彼女は戦利品として、情婦同然に側室として迎えられ続けた。
セルシオ率いるカルパシーノ王国が姉が嫁入りしたエウレパ王国に勝利した際に、セルシオは彼女に正妃として迎えると伝えた。
それは、セルシオが姉の境遇に同情していたからだろう。
「えっ? ルイス、気を失ってるの?」
寝台のルイス皇子を仰向けにさせながら、姉は驚きの声をあげた。
「そうよ! どうやら昇天しちゃったみたいね」
私はすかさず姉の体をベッドの上に思いっきり叩きつける。
うまく気絶させるツボをつけなかったのか、姉は咳き込みながら私を見上げた。
「野蛮な女ね! さすが捨てられた孤児だわ。元奴隷とお似合い!」
私にとっては最高の褒め言葉だ。
私は、セルシオ・カルパシーノの妻であることを何より誇りに思っている。
彼が教えてくれた体術も、今、私が目的を達する為に役に立っている。
私はセルシオを見た。
彼はそっと目をつぶっている。
私はまた彼の美しいルビーのような瞳に、自分の姿を映してくれる事を願いながら時を戻す呪文を唱えた。
姉は私の前で上品で優しいフリをしていたのだろう。
しかし、今はセルシオの首を見下しクスクス笑っていて冷たさを隠していない。
「アリアお姉様、なぜ私をカルパシーノ王国に嫁がせたのですか? 一緒になりたい護衛騎士がいた話は嘘ですよね」
「ふふっ、なんで王女の私が護衛騎士なんかと一緒になるのよ。元奴隷のセルシオ・カルパシーノの妻なんて嫌に決まってるでしょ。だから、あんたに押し付けたのよ」
姉は妖艶に笑いながら寝台に近づき、天蓋についた薄い布をめくった。
姉の3度の結婚の扱いは酷いものだった。
彼女は戦利品として、情婦同然に側室として迎えられ続けた。
セルシオ率いるカルパシーノ王国が姉が嫁入りしたエウレパ王国に勝利した際に、セルシオは彼女に正妃として迎えると伝えた。
それは、セルシオが姉の境遇に同情していたからだろう。
「えっ? ルイス、気を失ってるの?」
寝台のルイス皇子を仰向けにさせながら、姉は驚きの声をあげた。
「そうよ! どうやら昇天しちゃったみたいね」
私はすかさず姉の体をベッドの上に思いっきり叩きつける。
うまく気絶させるツボをつけなかったのか、姉は咳き込みながら私を見上げた。
「野蛮な女ね! さすが捨てられた孤児だわ。元奴隷とお似合い!」
私にとっては最高の褒め言葉だ。
私は、セルシオ・カルパシーノの妻であることを何より誇りに思っている。
彼が教えてくれた体術も、今、私が目的を達する為に役に立っている。
私はセルシオを見た。
彼はそっと目をつぶっている。
私はまた彼の美しいルビーのような瞳に、自分の姿を映してくれる事を願いながら時を戻す呪文を唱えた。



