双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜

僕を好きになって貰ってから、本当のことを告げようと思ったが一向にその時が来ない。

「カリン、僕は君となら一緒にいるだけで、話をできるだけでこれ以上にないくらい幸せなんだ」

「私もルイスと話すのは楽しいです。せっかく来たのだがら今日は朝までお話ししませんか? 明日にはカルパシーノ王国に帰ろうかと思っているのです」

「港も今使えない状態だし、もっと帝国でゆっくりしたら良いのに⋯⋯」
自分で言っていて白々しくて呆れた。
僕が彼女を帝国から逃がさないように港の使用を止めている。

「でも、セルシオが私が帰って来ないと心配すると思うんです。明日、お土産のお菓子を買い直したら、国境を超えてチリナ王国の港から帰ります」
 父上に言われた通り、国境を封鎖して正解だった。

ふとサイドテーブルに置いてあるお菓子の箱を見ると、24枚入りのクッキーが残り1枚しか残ってなかった。
(お土産用に買ったのに、食べてしまったのか⋯⋯)

「カリン、帝国には他にも美味しいものが沢山あるから、もう少しここに残らないか?」
「確かに、このふわふわのクッキーを焼いた方は天才ですね」
可愛く微笑んだカリンが箱に入った残り1枚のクッキーを僕の口に放り込んでくる。
(甘いようで⋯⋯ほろ苦い⋯⋯)

 僕とカリンはベッドに並んで座ってそれから沢山の話をした。彼女のくるくる変わる表情を見ているだけで楽しくて、声を聞いているだけで胸がいっぱいになった。

「無防備過ぎだよ⋯⋯カリン⋯⋯」
 カリンは話しながらうとうとしてきて、僕にもたれかかって寝てしまった。
彼女をお姫様抱っこしてベッドに横たわらせる。
(寝顔、天使みたいだな⋯⋯)

 ふと、ベッド下にカリンが潜っていたことを思い出して、僕はベッドの下を覗いでみた。

「時を戻す⋯⋯魔法陣」
 僕は一瞬息が止まりそうになった。