婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「ねえ、今後は俺のロゼッタ嬢に声をかけるのは控えてもらえるかな?」

「え? と、それは……」


 ウィルバートはちらりと顔を上げ、縋るような瞳でロゼッタのことを見つめてきた。


(あんなに好きだったはずなのに)


 今となってはとても情けなく、哀れにすら思えてくる。


「さようなら、ウィルバート様」


 もう二度と、彼に会うことはないだろう。
 ロゼッタは最後に満面の笑みを浮かべると、クローヴィスと一緒に城の方角へ歩き始める。


「――これでよかった?」


 と、クローヴィスが尋ねてきた。ロゼッタは少しだけ目を見開いてから、大きくうなずく。


「ええ、清々しましたわ。ありがとうございます、クローヴィス殿下」


 とびきりの笑顔を浮かべるロゼッタに、クローヴィスが目を細める。


「うん。俺はずっと、君のそういう表情が見たかったんだ」

「え?」


 トクン、とロゼッタの心臓が小さく跳ねる。それから、とても幸せそうな顔で笑うクローヴィスを見上げつつ、そっと胸に手を当てるのだった。