90秒で始まる恋〜彼と彼女の攻防戦

私は、普段からハイヒールを履いて歩いているせいか、程よく筋肉がお尻と足につき、引き締まっていて、自分なりにお尻は小尻で魅力的だと思っていた。

それを、経緯はどうあれ褒められたのだ。

今回は、自分の失態を収める為に、お粗末な物だと咄嗟にでた言葉で、微塵も思っていなかった私は、先程の自分の失態を都合よく忘れ、気持ちを切り替えて足取り軽く職場へ向かった。

株式会社 [KZ]創業者の頭文字から名付けられた家具メーカーは、2代目の現社長の手腕により、安くて質の良さを売りにし、今では日本全国に支店を持つまでに急成長した。

私は、運良くそこの本社に就職でき、総務部に所属している。

総務部といっても、役職を除いて花形の受付を担当する3人の女性達と、縁の下の力持ち的な多岐にわたる業務を担当する5人に別れている。童顔で、そこそこの顔『自分がそう思っているだけだが…)の私では、花形の受付としては役不足で、総務で各部署からの依頼を受けている。