厳しく叱るお父様の顔を思い出していたこともあって、語り掛けるヴィンセント様にお父様の厳しい面影が重なる。
そう言えば、彼は第五魔術師団で長を務められていると聞いている。お父様がお勤めだった師団なのは、偶然だと思っていたけど、もしかして長いこと第五師団にいらっしゃったのかしら。
だから、私を知っている?
「……私は、ヴィンセント様とは、初めてお会いしたと思うのですが」
「こうして話すのは久しぶりだから、忘れているのも仕方がない」
「忘れている……?」
「レドモンド卿は、私によく言っていたよ。娘が砦に行きたいと言って困ると」
「お父様が? 確かに、幼い頃は何度もリリアードへお連れ下さいとお願いしましたけど……」
「レドモンド卿は、砦に想い人がいるのではないかと心配しておられた」
「おっ、想い人!? そんな、まだ十にも満たない頃に……そんな……」
思いもよらぬ昔話に、私は驚きと気恥ずかしさに頬を染めながら、一人の魔術師を思い出した。そう、優しい幻影を見せてくれた、背の高い銀髪の青年だ。
私は彼に会いたくて、毎月のようにリリアードへ行きたいとお願いをしていた。
そう言えば、彼は第五魔術師団で長を務められていると聞いている。お父様がお勤めだった師団なのは、偶然だと思っていたけど、もしかして長いこと第五師団にいらっしゃったのかしら。
だから、私を知っている?
「……私は、ヴィンセント様とは、初めてお会いしたと思うのですが」
「こうして話すのは久しぶりだから、忘れているのも仕方がない」
「忘れている……?」
「レドモンド卿は、私によく言っていたよ。娘が砦に行きたいと言って困ると」
「お父様が? 確かに、幼い頃は何度もリリアードへお連れ下さいとお願いしましたけど……」
「レドモンド卿は、砦に想い人がいるのではないかと心配しておられた」
「おっ、想い人!? そんな、まだ十にも満たない頃に……そんな……」
思いもよらぬ昔話に、私は驚きと気恥ずかしさに頬を染めながら、一人の魔術師を思い出した。そう、優しい幻影を見せてくれた、背の高い銀髪の青年だ。
私は彼に会いたくて、毎月のようにリリアードへ行きたいとお願いをしていた。


